日本の悪路に強い! 今後の林業に欠かせないコンラート社タワーヤーダーが国内初上陸
2021/09/17
川井社長もこう語る。「コンラート社はモデルチェンジが早く、以前のKMS12Uと比べると、色々な面が改良されています。社長さんとも何度かお会いしたことがありますが、ユーザーの声を取り入れ、お互いの知恵を出し合っていいものをつくるという考え方で信頼が持てます」
タワーの作業索がすべてタワーヤーダー内に収納され、人が直接触れられない構造になっている。
ワイヤーのドラムが内部に収納されていることが確認できる。
タワーヤーダーなら
設置は1日、撤去は半日で終了
タワーヤーダーの操作には入社30年近くのベテラン・田上さんと、下で木材をリフトライナーに取り付ける入社2年目の新人スタッフの2名体制で作業している。
「今も架線集材を行っていますが、架線集材では人員3名・設置1週間・撤去2日かかり、タワーヤーダーなら人員2名・設置1日・撤去は半日で終わります。設置・撤去に時間がかからないのでコンスタントに出荷でき、売上の安定につながります」と川井社長。
海外のメーカーということで気になるのがメンテナンス面だが、販売元のサナース(本社:神奈川県横浜市)は日本全国、各地で地元の整備業者と協力する体制を整えており、四国に関しては高知林業(本社:高知県高知市)が行っている。
「以前から懇意にしていた高知林業さんは、林業と兼業で機械修理を行ってきたので使い手の気持ちが分かり、高い技術力を持っています。四国のユーザーにはサポート面は万全といえます」。
ハーベスタもコンラート社製で統一したことで連動性が高まり、さらに効率がアップ。現在のハーベスタは3台目になる。
高性能林業機械の導入が
持続可能な林業につながる
タワーヤーダーの導入で気になるのがコスト面だ。
「大切なのはイニシャルコスト(初期費用)よりも費用対効果(コストパフォーマンス)。1000万の機械で1000万を稼ぐか、2000万の機械で3000万を稼ぐかということです。弊社にもタワーヤーダーの運用には3年近くかかり、機械の効率的な組み合わせや作業道の作り方などを試行錯誤しました。その結果、以前よりも木材の搬出量が増え、費用対効果が得られることを実証できました」。
川井さんが目指すのは、補助金に頼らない自立した林業。高性能林業機械の積極的導入で作業の効率化・労働の軽減を図り、山元や社員に利益を還元する、新しい施業システム構築に取り組んでいる。
そのひとつが「材木の直販」という新たなチャレンジで、見事に軌道に乗せた。今現在、従業員の離職率も低いこともこうした効果の現れである。
高性能林業機械は日本の林業の発展に、もはや欠かせない存在ということを実感させてくれる。
取引先の希望にあわせて現場で丸太をカットする。「ハーベスタで裁断後、サイズ別に分けて運搬します。手間がかかりますが、木材の直販には欠かせない作業です」
お問い合わせ
取材協力:有限会社川井木材
取材・文:後藤あや子
写真:川村公志
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