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森の見える化のその先へ! 注目の森林クラウドシステムが「本物のスマート林業」を実現

国内有数の森林航測技術を持つことで知られるアジア航測。森林資源情報の見える化をリードしてきたトップランナーだ。しかし、彼らが目指すのは「見える化」のその先だという。ICT林業課長の大野勝正さんにお話を伺った。

あらゆるデータをつなぎ、
本当のスマート林業を

世界の森林面積が減少し続けるなか、日本の森林資源は増加の一途を辿っている。それにも関わらず、日本の木材自給率は3割強程度。こうした矛盾をはらんだ現状に「ひとりの社会人として責任を感じています」と明かすのは、アジア航測株式会社でICT林業課の課長を担う、大野勝正さんだ。

「多くの方が、気候変動を肌身で感じているのではないでしょうか。私の場合は、航空測量に携わることも多いのですが、そのなかで感じるのは曇りの日が本当に増えたということ。温暖化によって日本の気候が熱帯化しているのです」。

そうした地球規模の危機を前に、私たち一人ひとりに何ができるのだろうか。大野さんの答えは「日本の林業を活性化させ、サステナブルな森づくりをサポートしていくこと」だ。その姿勢はそのまま、アジア航測の掲げる「明日を共創る Leading for the Future」というビジョンに重なる。

「林業を活性化するには、森林資源情報をはじめとしたデータのデジタル化も大切ですが、もっと重要なのはそれらのデータを統合する仕組みを構築し、運用することです。私たちはそれこそが本当の意味でのスマート林業だと考えています」。

そうした同社の想いを具現化したのが、森林GIS「ALANDIS+Forestだ。

「最大の特徴は、森林資源をきめ細やかに把握できることです。弊社の強みである航空レーザ計測データを基盤とした高精度森林情報を搭載しているため、対象エリアの森林資源情報を単木レベルで把握できます。だからこそ、間伐等の採材シミュレーションも非常に精度が高いものになっています」

他社のスマート林業ツールとの互換性が高いことも同製品の魅力のひとつだろう。ドイツ生まれの素材検知アプリiFovea Proの検収データや、国内外の各種ハーベスタの造材データなどをワンストップで取り込み、GIS上に落とし込むことができる。「世界にはさまざまな優れたツールがあるのだから、それらを活用した方がスピード感を持ってお客様のご要望に応えられると思うんです」と大野さんは屈託なく語る。

自治体向けの台帳管理システムや、川上・川中向けの木材SCMシステムなど複数のシステムとの連携を前提として作られていることもユニークだ。特に現在は、木材SCMシステムの普及に力を入れているという。

「木材SCMシステムが幅広く使われるようになれば、加工業者などの需要情報と、林業事業体の生産情報をクラウド上で比較検討できるようになります。川上側は、GIS上で施業範囲を選択するだけで、求められている木材の需要を満たしているのかがひと目でわかる。それを元に施業計画を変更したり、価格を交渉したりすることができるようになるはずです」。
 

持続可能な森づくりの
パートナーカンパニーへ

このようにICT技術を駆使して「本物のスマート林業」の実現に貢献する同社だが、林業をサステナブルな産業としていくために、より長期的な視点に立った支援にも取り組んでいる。そのひとつが、各地の林業大学校や大学で行っている技術の普及活動だ。

「私自身は、鹿児島大学の学生を対象に、航空レーザ測量の事例紹介などを行っています。実は森林航測に関する教科書の多くは刊行から長い月日が経過していて、レーザ測量の技術についてはほとんど触れられていません。そこをフォローするのが私たちの役割です。最先端の技術を紹介することで、若い人たちが林業という仕事にもっと魅力を感じてくれるようになったら嬉しいですね」。

鹿児島大学が実施する林業従事者向けの「林業生産専門技術者」養成プログラムでも、ICT林業の現場での活用方法などを指導している大野さん。そのモチベーションはどこから湧いてくるのだろう。

「個人的にはもう山で働くみなさんの一員になったような気持ちなんです。だから彼らとともに林業を通じて、地域社会をもっと豊かにしていきたい。弊社がNPO法人「空とぶ森」への支援を通じて森林保全活動に取り組むのも、同じような思いがあるからです」。

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