低コスト化を実現するキーアイテム! 運搬ドローンの省力化は笑顔も届ける!?
2020/11/11
これまでは植林地の周囲をぐるっと歩いて目視で点検していたが、ドローンであれば補修箇所はもちろんのこと、補修に必要な資材の量もある程度把握ができる。作業員の負担はグッと減ることになった。
「一度ラクを覚えてしまうと、帰って来れなくなります」と中川さんは笑う。
マニュアルは誰がいつ見てもすぐに理解できるように作られている。
安全に効率よく運搬できるドローンのおかげで作業員の負担が減った分、現場やその家族にも笑顔が増えたそうだ。木を切らない林業会社の急成長の秘密の一端を見たような気がする。
林業資材運搬ドローン
「いたきそ」徹底解剖!
林業資材運搬ドローン「いたきそ」
・安定航行を可能にする6枚羽
・約15kg(苗木100本)まで運搬可能
・400mを約3分で航行! 連続時間は約13~15分!
・コンパクトに折りたためて持ち運びやすい
驚愕の作業効率
「いたきそ」の運搬能力は、1時間あたり約2,100本。運搬作業者数が5名の場合、一人当たり420本になる。以前は、これだけの本数を人力で運び上げた後で植え付け作業に入っていたことを考えると、その省力化は計り知れない。
「いたきそ」の運搬能力に関するデータ
安定した運航性能

資材の重量や運搬距離にかかわらず運搬時間がほぼ変わらないことが特徴。それはドローンがスピードに乗って目的地まで一直線に飛んでいくためで、この安定性は広大な面積の再造林地で威力を発揮する。
話を聞いた人
中川雅也さん
地元の森林組合に8年勤務したのち、独立。育林事業に特化した「木を伐らない林業」をコンセプトとする林業ベンチャー・株式会社中川を立ち上げ、これまでにない次世代の林業を展開している。
文:梶谷哲也
写真:井ひろみ
FOREST JOURNAL vol.5(2020年秋号)より転載