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本分野プロ森林総研に聞く! 日本のスマート林業の研究成果とは

林業工学研究領域収穫システム研究室長の中澤昌彦さんは、海外の先進事例を紹介しつつ、ご自身が進めている2つの研究開発を紹介してくれた。

「スウェーデンやノルウェーでは、ビッグデータが自動的に集まる仕組みが既に出来ていて、賢く利用されています。伐採した丸太の種類や質だけでなく、その作業に使った機械がどのように動いたのかまで、自動でデータが集まる仕組みがあるのです。

その結果が良かったなら、同じように植樹しようとなるし、悪ければ別の判断になる。このような仕組みが出来ているのです。簡単に言うと、私はそれの日本版を作ろうと考えています。

そのために開発しているものの1つが『高度木材生産機械=次世代ハーベスタ』。“次世代”というのは、原木の品質(曲がり、強度、密度)を判定する機能を搭載させる、ということ。ロボット技術などにより原木の品質を自動判定するシステムを開発して、これを統合した品質総合判定システムをハーベスタの作業機に搭載します。

もう1つが、その『次世代ハーベスタ』で得られた情報を、従来からある原木情報(樹種、末口径、材長)にICT等を活用して追加することで、川上から川下に至る林業関係者が閲覧可能な『情報高度利用システム』です。

この2つ、『次世代ハーベスタ』と『情報高度利用システム』を組み合わせることで、生産から供給に至るコストを見える化できます。そうなれば、現在も現場で行われている様々なコスト削減の効果も分かりやすくなりますし、生産に掛かったコストが価格に反映されるようになることも期待できます」。

森林総研の研究者達は、林業をより良くするものがスマート林業だと語った。技術の進歩は一足飛びには行かないが、着々とより良い林業に向けて研究開発が進められている。その恩恵を、そう遠くないうちに現場で感じられる日が来るに違いない。

次世代ハーベスタ

レーザースキャナによる形状測定、荷重計による重量測定(密度推定に用いる)、応力波による音速測定(強度評価に用いる)の各測定器をハーベスタヘッドに搭載。従来データの精度を向上させつつ品質情報を定量化し、有益な情報として造材作業で使うことができる。

次世代ハーベスタが取得したデータをクラウドなどで川中や川下にいる関係者が閲覧できるようになれば、輸送効率の向上や在庫管理、細かな市場ニーズに対応した直送などが可能となり、林業界全体として効率が上がる。

※上記事業は、森林総合研究所が農研機構生研支援センター「革新的技術開発・緊急展開事業」の支援を受けて行ったものです。

話を聞いた人

森林総合研究所 林業工学研究領域長 毛綱昌弘さん
森林総合研究所 林業工学研究領域収穫システム研究室長 中澤昌彦さん


取材・文/Reggy Kawashima

FOREST JOURNAL vol.2(2019-20年冬号)より転載

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