重機リースを低価格に! 新規参入支援や、現場の細かなニーズに応える独自ビジネス
2021/09/07
素材生産の現場では通常、複数の林業機械を組み合わせて使うが、実際の施業方法は事業者ごとにさまざま。新たに独立起業した新規参入者にとって、富士フォレストサポートの「先輩会員」との交流は施業システムや林業経営を考える上で大きなプラスになっているという。
「一社ではできない仕事を会員同士が協力して手掛けるケースも生まれている。入会が独立起業の登竜門になっているとも言える」と本田さんは富士フォレストサポートの役割を語る。
富士フォレストサポートの講習会の様子
富士岡山運搬機では、林業機械を販売したり、レンタルしたりする際、希望する機械や施業する山の概況などを顧客から聞いた上で、施業システムや使用する林業機械をアドバイスしている。例えば「複雑な機能は付かなくても、その分壊れにくい機械」「交通が不便な地域なので修理をしやすい機械」など、事業者の施業環境に応じた機械選択を提案する。
さまざまな会員事業者との関わりは、同社にとっても素材生産の現場の流れを実践的に学ぶ場となっている。
ニーズ高まる中古林業機械
需給のマッチングにも挑戦
高性能林業機械の上手な活用は、素材生産の効率化に向けた鍵を握る一方、新車導入には高額の初期投資が必要になる。
一方、林業機械は建設機械と比べると中古車市場が確立していない側面があるという。
同社は委託販売を含めた林業機械やアタッチメントの中古販売にも注力。同社ホームページをプラットフォームと位置付け、写真や仕様、状態を詳しく載せて、「買いたい」と「売りたい」の相互のニーズのマッチングを図っている。
富士岡山運搬機の公式ホームページ
「独立するひとはまずは中古機械から始めるケースが多い。中古機械の購入に補助金を出している県もある」(同社)とニーズを挙げる。
2020年の中古林業機械の販売台数は79台。鳥取県内の自伐型林業の先進地で施業を学んだ他地域の林業者が、グラップルやウインチ付きの小型林業機械を同社で購入して地元に帰っていくケースもあるという。小型のベースマシンからアタッチメントまで、中古を含めて幅広い組み合わせから選べる同社は、2人程度で独立する小規模事業者にとっても心強い存在だ。
同社では最新の整備技術の習得や若手スタッフへの技術継承にも力を入れている。建車グループサービスリーダーの谷本将利さんは「逆に若い子から教えられることもあります」と笑顔をみせる。
写真左から、富士岡山運搬機 取締役営業部長 本田裕二さんと、建車グループサービスリーダーの谷本将利さん
重機オペレーター育成への協力や、年間の稼働状況に応じた変則支払いの導入といった独自のファイナンス支援も手掛ける同社。
「強みであるメンテナンスを生かした『使える中古林業機械』の販売や買い取りのプラットフォーム化を進め、林業界の発展に貢献したい」と本田さんは今後のビジョンを示す。新規参入を含めた全国の素材生産者のニーズにこれからもきめ細かく応えていく考えだ。
DATA
富士岡山運搬機株式会社
TEL:0868-24-321