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「薪は主食ではなくスイーツ」─“暖かさ”だけでない、薪ビジネスに求められるもの



薪ビジネスが
木材需要や林業への関心増加に

さらに薪および薪ストーブの扱い方について、きめ細かなアプローチも必要だという。薪ストーブに憧れていたものの、実は薪の扱いが苦手な人もいる。そこで火付けのほか、薪のくべるタイミングやストーブそのものの手入れまで、ていねいに教えるそうだ。そうした営業努力をしつつ顧客をつなぎ止めねばならない。

何より必需品でないだけに、気まぐれである。高価な薪ストーブを設置したものの、数年経ったらまったく使わなくなる家庭も多い。やはり面倒なのだ。加えて住宅地の中で薪ストーブを使うと、煙や臭いなど苦情が出ることも多い。最近は煙がほとんど出ないような商品もあるが、苦情はゼロにならない。結果的に薪ストーブの使用を控えなくてはならなくなり、それは薪の消費もなくなることを意味する。

薪ビジネスには、そうした不安定さがある。常に新しい顧客を開拓する一方で、安定的に使ってくれるユーザーの確保も大切となる。

もちろん薪の品質も重要だ。高く売れる広葉樹原木の確保は大変だし、太さなど割り方、そして乾燥もしっかり行わないと苦情の元だ。チェックとともに工夫や努力も必要だ。

とはいえ薪の販売は、単に利益を求める仕事に止まらず、林業家が町の消費者と直接触れ合うチャンスでもある。それに薪を通して町の人に木材を好きになってもらうことは、木材需要や林業への関心を増やすことにもつながる。

薪ビジネス、林業にとって大切な分野なのかもしれない。
 

PROFILE

森林ジャーナリスト

田中淳夫

静岡大学農学部林学科卒業後、出版社や新聞社勤務を経て独立し、森林ジャーナリストに。森林や林業をテーマに執筆活動を行う。主な著作に『森と日本人の1500年』(平凡社新書)、『森は怪しいワンダーランド』『絶望の林業』(新泉社)、『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』(築地書館)、『獣害列島 増えすぎた日本の野生動物たち』(イースト新書)など多数。奈良県在住。

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