経営視点から林業業務のICT化を考える 〜業界は本当にICT化を求めているのか〜
2020/04/21
誤解のないように申し上げておきますが、私は、「ブレードランナー」のような人工知能が反乱を起こすような世の中は嬉しくないですが(笑)、「業務のICT化」は進めるべきだという思いです。
というのは、林業に関わる人が少なくなっていく一方で、業務量は増えていっています。現場での肉体労働がきついことは認識されていますが、実はプランナー業は他の業種と比べてもやることが多いし、書類が多く、大変きつい部類の仕事です。
皆さんは、感覚的には、わかっているはずです、「ICT化すれば物事が解決するわけではない」ことを、また同時に、無駄が多く工夫次第で現場作業もプランナー業ももっと効率アップできることを。
「ICT化」というと、テレビCMで大手企業もICTソリューションの提供を盛んにうたっています。IT業者にお願いして、今日、ITソリューション(≒ソフト&ハード)を導入すれば明日から効率が倍になるのであれば、私が誰よりも先に買います!
この月2回のコラムでは、林業事業体の職員でもなく、IT企業職員でもなく、行政職員でもなく、研究機関の研究者でもない、林業事業体の経営支援をしている、少し変わった立場の視点から林業分野のICTを考えていきます。辛口なので、そこのところ、よろしくお願いします。
PROFILE
FOREST MEDIA WORKS株式会社
CEO 楢崎達也
カナダで森林工学を学んだ後、京都大学大学院を経て、大手銀行系シンクタンクにて森林・林業部門、大手林業会社S社の山林部門勤務。現在、同社にて、森林組合の経営改善支援、人材育成カリキュラム作成・運営、森林経営管理制度実施支援、林業×メディア融合、ITソリューションの現場サイドからの設計をしている。次世代森林産業展2019プロデューサー。