経営視点から林業業務のICT化を考える 〜業界は本当にICT化を求めているのか〜
2020/04/21

全国で林業ICT化が進んでいるが、林業業界は本当に業務のICT化を求めているのか? そう語るのは、FOREST MEDIA WORKS Inc.のCEO楢崎達也氏。林業事業体の経営支援者という視点から林業業界のICTを考える、同氏による連載コラム。
ICT化すれば
物事が解決するわけではない
誌面版では、「林業を経営から考える」をテーマにコラムを書かせていただいていますが、ネット版では、林業分野におけるICTをテーマに書かせていただきます。
私は林業・木材分野のシンクタンク・コンサルティングを業務としており、前職、前々職を通じて、今もいくつかの林業分野のIT化プロジェクトに関わっています。タブレット型PC(iPad)の普及が始まった2012年からは、タブレットPCによる林業アプリの開発(2014年GOOD DESIGN賞)に関わったり、いくつかの林業機械の開発プロジェクト等に関わってきました。
近年では、林業業界にICTが普及した近未来を描いたチープな妄想SF映像作成(ユーチューブ)、林業の最先端技術を集めた展示会「次世代森林産業展(フォレストライズ)」(フジサンケイビジネスアイ主催)の企画協力もさせていただいています。
政策的な流れもあり「スマート林業」を合言葉に、全国で林業ICT化が進んでる状況があるのは、皆さんもご存知の通りだと思います。ここからスタートしたいと思います。林業の実務に携わる我々は、本当に「業務のICT化」を求めているのでしょうか。正直言って、林業業界の方々は、「できればICT化して欲しくないなぁ」と思っているのではないでしょうか。