森林組合法改正案が閣議決定! 法案成立前にポイントを理解しよう
2020/04/03
次に掲げられたのは「正組合員資格の拡大」だ。現行制度でも森林所有者本人に加え、その後継者を正組合員に追加することができたが、追加できるのは同一世帯に属する者に限定されていた。この要件が緩和される見込みだ。これによって正組合員の若返りと、女性参画を図る。理事の平均年齢が68歳(※)と高齢化が進み、女性の理事が0.9%(※)に留まる森林組合にとって、必要な措置だと言えるだろう。(※ いずれも『平成30年度森林・林業白書』から引用)
最後に挙げられた「事業の執行体制の強化」も、理事会の活性化を狙ったものだ。販売や法人経営に実践的なノウハウを持った理事を一人以上配置することで経営能力の向上を図る。さらに、年齢・性別に偏りが生じないように配慮することで「正組合員資格の拡大」の取り組みをより推し進めるつもりだ。とはいえ、現実的にそのような人材を確保することは非常に困難であることから、実効性のある制度になるかは今後の議論によるだろう。
同改正案は今国会で成立すると、2021年4月1日に施行される。
TEXT:松田敦