花粉症対策に1億3500万円! 花粉症発生源対策推進事業とは?
2020/02/04
予算額の振り分けは国、県、市町村から委託される民間事業者への事業、取り組みの支援に活用され、他にも花粉飛散防止剤の空中散布の基本技術の確立や、花粉を飛散させる雄花の着花状況の観測精度向上のための調査にも使われる予定だ。
島根県で進む無花粉
スギの開発の現状とは
林野庁が花粉症対策に乗り出す傍ら、無花粉スギの開発も進む。このスギは自然界でも発生することが確認されているが、2500~6000本に一本しか現れないという。
鳥取県では、無花粉スギの木材としての質が良くないという弱点を克服するため、無花粉スギの遺伝子を持つ石川県のスギ花粉と、雪に強く成長の早い県内の優良スギの花粉と人工交配させた。交配させたスギはすべて失敗に終わったものの、孫の世代のスギ1万5千本のうち85本に花粉遺伝子が含まれないことが確認され、昨年3月には無花粉と優良スギの遺伝子を併せ持ったスギの開発に成功した。
鳥取県はこの無花粉スギの苗木を生産者に配り、5年後には年間3千本生産する体制を目指しているが、この無花粉スギの生産にも時間がかかる。交配から完成まで最短で4年の時間がかかり、鳥取県全体へ行き渡るにはまだまだ時間が必要のようだ。
TEXT:岩田武