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過去の日本林業は多様性があった──混交林的な森づくりで環境と経済の両立を

一斉林施業を「王道」だと思っている日本の林業。実は戦前まで一斉林による林業はそれほど多くなく、雑木が多く侵入して多様性の高い森になっていたという。混交林的な森づくりは環境・経済リスクの低減につながる。現代林業の在り方を改めて考え直してみよう。

» 前編『病害虫対策や経営的リスクの分散、SDGs貢献も!? 世界で進む新たな森林施業法とは』はコチラ!

日本の林業の在り方は
意外と近年に作られた

日本の近代林業は、明治期にドイツから導入された林学によって骨格が作られた。ドイツ林学と林業とは、18世紀ごろプロシア時代に国力増強のために考え出された木材の生産性を重視した「木材栽培業」として発達した。毎年同じ収穫量と植林を行い循環させる法正林づくりや、生長量を計算して行う森林経理学もその過程で生み出された。

ところが1990年代にドイツ林業は劇的な転換を図る。そこで皆伐は原則禁止となり、択伐によって木材生産を行う。林業は森林生態系に準じて行うと位置づけたのである。それなのに日本は、今も古い「木材栽培業」を続けている。

それでは日本の過去の林業はどうだったのか。実は、戦前まで一斉林による林業はそんなに多くなかったのである。地域性が高く、土地に根付いた施業法が取られていたが、全体的にわりと疎植(1ヘクタール1500本以下)だった。また間伐もほとんど行わなかった。そのため雑木が多く侵入して多様性の高い森になっていた。

一方で密植で有名な吉野林業では、スギとヒノキを混ぜて植えることが推奨されていた。明治時代に発行された『吉野林業全書』には、混植方法が詳しく記されている。土質や日当たりなどの条件によって、どんな割合で植えるのがよいのかを詳説している。スギとヒノキでは生長速度が違うので、そのままだとスギが優占してヒノキを被圧してしまうが、こまめに間伐を行い光量の調節をしてヒノキの生長をうながした。混植することで風水害に強くなることや、木々の生長が増すことを経験的に知っていたのかもしれない。

皆伐はしたが、そんなに大きな単位ではなかった。1ヶ所1町歩(約1ヘクタール)程度で、跡地に造林をすることで森林全体がモザイク状になり異齢林へとなる。それが戦後、効率を重視してスギかヒノキだけを密植する一斉林ばかりになってしまう。



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