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広がる苗づくりに潜む課題 樹種・需要を検討して満足度の高い森づくりを

また植えた後も、特別な育林方法がある。たとえばセンダンは、生長が早いだけでなく、硬い材質のため家具用材として期待されているが、植えてすぐに3本に枝分かれする。そのままでは十分な太さの幹にならないから、芽かきと呼ばれる作業が必要だ。芽を1つだけ残して、それをまっすぐ生長させて太い幹にする必要がある。こうした育林の技法も身につけないと、将来めざしている森の形にはならないだろう。

なおコンテナ苗は活着率がよいうえに、植えるのも楽と推奨されているが、山へ運び上げる際に大量に担げない。コンテナと呼ぶ専用の容器を使わねばならないため、裸苗に比べると一度に運べる量が5分の1くらいの本数になってしまうという。だから山に入っている作業道のどこに苗を運んで植え付けていくと効率がよいか、十分に段取りを考えるべきだろう。また近年はドローンによる苗の運搬なども考えられている。こうした点も考慮する必要がある。

このように紹介すると、苗づくりも植え付けも、簡単ではないことがわかるだろう。しかし、苗と植え付けは数十年後の森のデザインにつながる大切な山仕事である。森づくりこそ林業の原点であることを思えば、きっと満足度の高い仕事になるはずだ。



PROFILE

森林ジャーナリスト

田中淳夫

静岡大学農学部林学科卒業後、出版社や新聞社勤務を経て独立し、森林ジャーナリストに。森林や林業をテーマに執筆活動を行う。主な著作に『森と日本人の1500年』(平凡社新書)、『森は怪しいワンダーランド』『絶望の林業』(新泉社)、『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』(築地書館)、『獣害列島 増えすぎた日本の野生動物たち』(イースト新書)など多数。奈良県在住。

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