高効率&低コストで実現! 知っておきたい「木質バイオマス利活用」のはじめかた
2020/01/24

主伐期を迎えた日本の森林資源を有効活用する手段として期待されている木質バイオマス活用。そこでは社会システムの構築とともに、高効率な林業機械が求められている。
機械選びで
事業効率がグンと変わる!
我が国に豊富に存在する木質資源、それは用材に適う丸太だけではない。間伐材・枝葉・根株・伐根、製材端材、リサイクル材、都市からの刈草・剪定枝等、山林から都市まで豊富に存在している。
それらをエネルギー資源として積極的に活用して持続可能な環境社会をつくること、そして林業等関連する国内産業を活性化させ地域に還元することこそ木質バイオマスの真価といえる。
ここでその社会づくりの一翼を担う、木質バイオマス燃料の製造とそれを支える機械群の例を見てみよう。
緑産が販売する破砕機、選別機、タワーヤーダー等の林業機械の多くはバイオマス先進国オーストリア、ドイツ製だが、日本規格に合致する開発や国内製造も行っている。同社の機械はどれも大型であるが、これらは高効率な大容量作業で低ランニングコストのメリットをもたらすという。
そして最大の特長は、枝葉から根株、カスケード利用も含めすべての木質資源を余すことなくバイオマス燃料とする豊富なラインアップとそのシステムだ。
いかに運送等の中間コストを抑えるか、原料を確保し燃料の品質を上げるかのノウハウと、それを実現するための高性能機械が、国産バイオマス産業の鍵となるようだ。
早速、間伐材とグリーンウェスト(植物性廃棄物・林地残材など)に分けて、バイオマス燃料チップの製造方法を見てみよう。
START! 間伐材!
1 伐採した木材をタワーヤーダーで集める
●ワンダーファルコン
搬送最大速度:~8.5m/秒。
主策最長:600m(Φ18mm)
最大荷重(引張力):~3t
集材作業から高効率に。主伐、間伐の全木集材の時代を見据えた3線式タワーヤーダー『ファルコン』シリーズなら、急傾斜地でも安全で高効率な架線集材が可能。一度の架設で最大モデルでは10haもの施業に対応。ワンダーファルコン クローラ―自走式は日本の林道規格に合わせて開発されている。
急傾斜地でも安全な集材!
↓
2 高品質なバイオマス燃料チップを低コストに製造
●ウッドハッカーMEGA
最大供給径:320~1000mm、最大生産能力:60~360㎥/h(モデルによる)
【用途】切削チップ製造(未利用材)
独自のオープンドラム式切削ローターと内蔵スクリーンの組み合わせで均質な木質チップを高速・大容量に製造する『ウッドハッカーMEGA』シリーズ。山土場・中間土場で機動力を発揮する中型クローラー自走モデル、プラント用の超大型牽引モデル、電動定置モデル、複数拠点を広域移動可能なトラック搭載モデル等ラインアップ豊富。
注目したいのは、山で間伐材等をかさばる枝葉丸ごとチップ化し、直接トラック積載するという方法だ。運送コストの削減にとどまらず、残材を減らし、きれいな山づくりにも貢献する。
1台で均質なチップを製造!