「国産材の可能性をもっと引き出したい」 川中“合板業界”が注力するものとは?
2021/03/17
「合板のなかでもフローリングなどに用いられるフロア台板用合板には、高い品質が求められます。節や虫食い、表面の小さな凸凹が最終的な製品に表れてしまうからです」。
ロータリーレースで製造されたスギ単板
そこで同社が取り入れたのが、画像認識技術による単板の選別だ。表面に傷ない単板だけを選別し、組み合わせることで、高品質の非構造用合板をつくれるようになった。
「単板の繊維方向が平行になるように積層接着したLVL(単板積層材)を製造するための機器の開発にも積極的に取り組んできました。高品質の非構造用合板やLVLによって、国産材の用途はさらに広がっています」。
国産材の可能性をとことん追求し続ける。そんな同社の取り組みは、多くの林業事業者にとって希望の灯火となるはずだ。
製材機械、合板機械、木工機械などをはじめ刃物、乾燥機器、エコ機器などの内外の最新製品が一堂に集う、業界最大の展示会「日本木工機械展(Mokkiten)」。2021年も10月に名古屋で開催を予定。川上で働く人々にとっても、森林産業全体を見わたす気づきが得られるイベントだ。
教えてくれた人
株式会社名南製作所 代表
長谷川 英生氏
取材協力
一般社団法人日本木工機械工業会
取材・文:福地敦
FOREST JOURNAL vol.6(2020年冬号)より転載