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林業者の取り組み

山を維持するための働きかたとは? 林業と副業のバランスを考える

林業とは別の仕事を考える際に必要なのは、経営のスパンを変えることだろう。森づくりから木材生産までは、少なくても20年以上かかる。とくに前半は投資の時期ですぐに利益を生まない。その合間に行えて、リスクを補える短期の利益を上げられる事業に目を向けるのである。

アメリカでは、ファンド(投資会社)が林業に投資することが多い。実は民有林のほとんどをファンドが所有していると言われる。それは林業の長期性に目を向けているからだ。

たとえば株式などの証券・債券は短期間に価値が上下するから、それだけでは経営が不安定になる。そこで長期的な経営を行う林業とポートフォリオを組むのだ。すると、お互いのリスクを軽減することができるのである。

残念ながら日本に、林業へ目を向ける投資家は少ないが、林業家自身が短期利益を得られる事業に進出して長期視点の山の経営と組み合わせているのだろう。

林業を副業にするのか、副業で林業を支えるのか。いずれにしても山を維持するためには、多角的な取組を行い両方のバランスをとることが大切だろう。
 

PROFILE

田中淳夫


静岡大学農学部林学科卒業後、出版社や新聞社勤務を経て独立し、森林ジャーナリストに。森林や林業をテーマに執筆活動を行う。主な著作に『森と日本人の1500年』(平凡社新書)、『森は怪しいワンダーランド』『絶望の林業』(新泉社)、『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』(築地書館)、『獣害列島 増えすぎた日本の野生動物たち』(イースト新書)など多数。奈良県在住。
 

DATA

『絶望の林業』


2200円(税別) 2019年8月5日発行・新泉社刊

ウォッチし続けていると、“不都合な真実”に触れることが多くなった。何から何まで補助金漬け、死傷者続出の現場、相次ぐ違法伐採、非科学的な施策……。林業を成長産業にという掛け声ばかりが響くが、それは官製フェイクニュースであり、衰退産業の縮図である。だが目を背けることなく問題点を凝視しなければ、本当の「希望の林業」への道筋も見えないだろう。


FOREST JOURNAL vol.5(2020年秋号)より転載

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