【Q&A】低コスト再造林のススメ! 未来の森づくりを担う最新技術3選
2020/11/09
作業道が作設できる中~急傾斜地では、路網上の高性能林業機械を地拵えや苗木の運搬に活用できるでしょう。
30度以上の急傾斜地ではスイングヤーダなどで一貫作業を実施。集材用の架線を苗木の運搬に活用します。また人力で行わざるをえない地拵えを省力化するため、集材方法は全木集材が望ましいとされています。
Q:最近話題の早生樹とは何か
A:「早く生長する樹種」の総称で、新たな造林樹種として注目を集めています。
中でも有望視されているのがセンダン(落葉広葉樹)とコウヨウザン(常緑針葉樹)。センダンは4~5万円(末口40cm、直材4m)という立米単価の高さが、コウヨウザンはスギよりも堅く構造材に適した材質が魅力です。いずれも20~30年で伐期を迎えるとされています。
未来の造林を担う
注目技術3選
傾斜地で活躍する注目の造林機械
キャニコムが販売する「山もっとジョージ」は、傾斜のある林内でも安定した走行が可能な多目的造林機械だ。下刈はもちろん、地面に残った根株もパワフルに粉砕。専用のアタッチメントを装着すれば、コンテナ苗の運搬にも活用できる。
問/キャニコム
TEL:0943-75-2195
獣害防止はドローンにお任せ
株式会社Queen Bee and Droneが手がける「ホーネットバスター」は、スズメバチ駆除のために開発されたドローンだが、獣害防止のための忌避剤散布にも活用できるとして、現在、実証実験が進められている。実用化されれば、作業者の負担が大きく軽減されること間違いなしだ。
問/株式会社Queen Bee and Drone
TEL:054-260-5980
「着るロボット」が作業をサポート
山林での作業現場までの歩行をサポートする“着るロボット”として、株式会社ATOUNが開発を進めているのが『パワードウェア HIMICO』だ。2018年には奈良県川上村の山林で実証実験を実施。人手不足を補う切り札として、注目を集めている。
監修:寺岡行雄教授(鹿児島大学農学部)
文:松田敦
FOREST JOURNAL vol.5(2020年秋号)より転載