【副業×林業】小規模林業を支える小型運搬機「山猫」とは? スキマ時間を利用する新しい林業
2020/10/16
いくつかの問題を乗り越えて、5回の改造を経てプロトタイプができあがった。名前は宮沢賢治の童話から取って「山猫」と名付けた。
共同開発を行う和同産業との意見交換。
「今後、全国の小規模林業家の山を訪ねて実験を重ね、実用化をめざします。さまざまな条件下で利用して、どんな問題が発生するか、どんな使い道があるのかも意見交換させてもらえたら幸いです」(小友さん)。
ただ小友木材店としては、「山猫」を積極的に販売していくつもりはないという。小規模事業向きゆえに買い取りよりレンタルで展開していく方が向いていると考えている。
あるいはウーバーイーツのように空き時間を使って簡単に集材手伝いをするアルバイト感覚の林業にも使えるだろう。まさに「林業を副業に」するためのアイテムなのだ。
小友社長は、地元で3代続く林業会社を経営する一方で、東京のIT企業の取締役も務めている。「ITは課題ベースで解決法を考え、その方法は業界の壁を超えて展開します。『山猫』も林業用に思いついた小型運搬機ですが、様々な現場で使ってもらい、働き方の幅を広げてくれたら」。
様々な木材加工商品を手掛ける小友木材店。自社がプロデュースする花巻おもちゃ美術館の内装や家財も制作している。
PROFILE
小友康広さん
岩手県花巻市花城町3-50
TEL:0198-23-4331
写真:松尾夏樹(大川直人写真事務所)
文:田中淳夫
FOREST JOURNAL vol.5(2020年秋号)より転載