特殊伐採×未利用材活用で稼ぐ!林業の新スタイル確立を目指す若手林業家の経営論
2020/08/17
1つ1つの動作の意味をしっかりと知り、身体が覚えるまで叩き込む。安全管理の基本だ。
職業そのものの地位向上を目指し、持続可能な生業として後世に残したい──。そのためには、林業を身近に感じてもらうことこそ重要と考え、國武林業では、森や木材の魅力を伝える様々なイベントを行ってきた。
そして、昨年、新たな事業をスタート。地域のクリエイターとコラボして、未利用材を活用した商品を展開する「KEYCUS(キイカス)」だ。屋外家具、タイニーハウス、木のアクセサリーなど、お洒落でユニークなアイディアが続々と形になっている。
この春に完成した屋外家具「banco wagon」と「neco chiar」。一輪車のように手押しでどこへでも移動可能。
「儲かる確信はないです(笑)。特伐で頑張って稼いで、『KEYCUS』に投資し、それによって多くの人に木の魅力が伝わればいい。そうすることで自分たちの会社も、林業も持続可能なものになっていくと考えています」
「KEYCUS」では、熊本発のインテリアブランド「Oriri mfg」とコラボ。「森を守りたいという思いに共感した」という。
熊本を拠点に活動するプロダクトユニット「ittiti(イチイチ)」とコラボして完成した、木のアクセサリー「Waku」。
日本伐木チャンピオンシップとは?
國武さんが参加している「日本伐木チャンピオンシップ(JLC)」とは、チェーンソー競技の日本大会のこと。伐倒競技、ソーチェン着脱競技、丸太合せ輪切り競技、接地丸太輪切り競技、 枝払い競技という、5つの競技種目で技術を競う。
林業技術および安全作業意識の向上、林業の社会的地位向上、林業関係者・NPO等の森づくりへの積極的な参加、新規林業就業者数の拡大等を目的として開催。高度なチェンソー技術や安全管理が求められるため、林業従事者にとって技術向上の重要な場になっている。
DATA
國武林業(クニタケリンギョウ)
熊本県上益城郡御船町大字七滝4872
TEL:096-285-2213
写真・文:曽田夕紀子
FOREST JOURNAL vol.4(2020年夏号)より転載