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チェンソーアートは林業を支えるビジネスになるか? 安全管理や技術向上に貢献

チェンソーアートをご存じだろうか。チェンソーで丸太を削って彫刻するアートである。ただ、これを仕事である林業から離れた芸だと考えているのならば、それは認識不足だ。林業振興の一環として普及に努められたチェンソーアートの価値を見直してみよう。

メイン画像:東栄町のチェンソーアート大会

 

林業振興の一環として普及された
チェンソーアート

チェンソーアートをご存じだろうか。チェンソーで丸太を削って彫刻するアートだ。チェンソーカービングともいう。その作品は、ちょっと粗削りだが、独特の迫力を感じるので人気だ。またつくる過程を見ていても楽しめる。
 
近頃は、そうした作品をオブジェとして店先などに置いているところも各所で見かけるし、お祭などのイベントで舞台でチェンソーアートのショーとして演じられることも増えた。一つの彫刻を仕上げるのに短ければ30分、せいぜい数時間で巨大な丸太が動物など見事な造形に変わるのだから見応えがある。
 
ただ、このチェンソーアートをちょっと変わった木工だとかショーで行う芸だと思っていないだろうか。あるいは林業現場でチェンソーを持っている人が遊び半分で行う趣味の一つだと。また彫刻としては稚拙で、芸術的価値は低いとか、仕事である林業から離れた行為だと思っていないだろうか。
 
それは認識不足だ。そもそもチェンソーアートが日本に入ってきたとき、これは林業振興の一環として普及に努められたのだ。そして林業従事者にとって技術を磨くとともに自己実現の手段にもなり、また収入を得られる新たな挑戦だとする位置づけだった。そのうえ作品レベルは年々向上し、今や本格的な芸術作品の域に達している。そうした原点に帰ってチェンソーアートの価値を見直してみたい。
 


城所啓二氏が挑む巨大な龍のモニュメント

 

チェンソーアートを通して
林業と地域を振興する

チェンソーアートは、チェンソーが登場してすぐ、わりと自然発生的に始まったようだ。とくにログビルダーの間で広がったと聞く。たしかにログハウスを建てる過程では、丸太をチェンソーで刻むことが多いが、その際にちょっとした造形物をつくることはあっただろう。それが徐々に人気を呼び、欧米では作品づくりの腕を競う大会が各地で開かれるまでになった。
 
日本でも独自に挑戦する人はいたようだが、それが大々的に広がったのは2000年前後だ。愛知県の東栄町でミレニアム記念の「木の街づくり」イベントを企画した城所啓二さんが、静岡の大道芸ワールドカップでアメリカ人・ブライアン・ルース氏の披露しているチェンソーアートを見て、誘致したのだ。ルース氏はチェンソーアートのアメリカ永久チャンピオンだった。
 
東栄町では、ショーを披露してもらうだけではなく、ルース氏からチェンソーアートの技術を学ぶ教室を開き、さらに参加者でクラブを結成した。城所氏も自ら取り組んで技術を修得すると各地で指導しショーを披露した。これがきっかけとなり、チェンソーアートは全国に広がっていく。
 
今では全国にチェンソーアートのクラブが結成されるとともにスクールも開かれるようになった。大会も各地で開かれ参加者は腕を競うようになる。そして各地のイベントでショーとして実施されるのである。その際に城所さんが仕掛けたのは、チェンソーアートを通して林業と地域を振興することである。単なる木工趣味やアート活動ではなかった。


吉野チェンソーアートスクールの練習風景



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