安全対策は”KY朝礼”から! 異業種の常識を取り入れるマネジメント術
2020/03/31
さらに現場では全員にインカム(相互通信機)を所持させている。各人が遠く離れていたり、エンジン音などのせいで声が届かないと、お互いの意思の疎通が上手くいかない。インカムによって誰が、どこで、何をしているのか常に会話できることが安全に役立つという発想からだ。これは仕事の効率アップにもつながったという。
危機管理能力の育成が
即戦力の作業員を生み出す
そのほか定期的に救命救急講習を実施して、怪我した場合の応急措置をマスターさせている。また、スズメバチに刺された際の抗体薬「エピペン」やAED(自動体外式徐細動器)、担架なども現場に携行するようにした。どんなに気をつけても事故は発生するが、その際の被害を最小限に抑える準備をしているのである。
「作業マニュアルも作成しています。個人の経験則に頼るのではなく、誰もが安全に作業を行える手順を示し、新人でもすぐに仕事ができるようにします」(守岡社長)。
社員を家族のように想う守岡社長。「安全作業を徹底することで社員の生活や怪我から守りたい」と語ってくれた。
KY報告、指差し確認、インカム、空調服、そして研修……異業種では当たり前のことも、林業界に普及していないことは多い。
若い会社だからこそ、慣行に流されず「良いことは何でも取り入れる」姿勢だ。学ぶことは少なくないだろう。
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TEXT:田中淳夫