まるでアート!? 人々が森に夢中になる仕掛けとは?「森のウエディング」を成功させた2人の壮大な計画
2019/09/12
12年前の日本はまだアウトドアウェディングの前例は少なかったが、イベントで培った経験を頼りに、ナガラ材(小径間伐材)でテントを組み上げ、デコレーションや料理も工夫を重ね、はじめての森のウェディングは作り上げられた。
森の中で行うアウトドアウェディング。会場環境の整備、空間演出などをWO-unが手掛ける。森林が、大切な日のおもてなしの場として活用されている。
「美味しい空気、力強い木々。立木に巻き付くツルや雑草さえも、お客様をもてなしました。みんながフワッと抱いているだろう『なんか森っていいよね』という観念に、結婚式、お祝い事といったフィルターを重ねることで、その非日常な景色がさらに輝きだすんです。アートの如く人の視点をも変えてしまう『仕掛け』。それはやがて森への関心へとつながっていくのだと思っています」。
それから2人は、年1~2回のペースで「森のウエディング」を手がけてきた。これは問題解決のためにまず必要な「人々が森に触れる『仕掛け』」の一つだという。
大切にされてきた地縁を守ろうとするあまり、身動きの取れなくなってしまった日本の森。合理性の欠けた効率を求め「必要な分だけ」では終われなくなっている私たち。2人が提唱する新しい林業、その根底にあるのは、壮大な「森と地域のつくりなおし」なのだ。