年間約4万人が来場! 町立キャンプ場をリノベしたテーマパークで地域を元気に
2021/04/23

岐阜県との県境に位置する福井県池田町に新風を吹き込んでいるのが、町の第三セクターが展開する「Tree Picnic Adventure IKEDA」。誕生から5年、コロナ禍にも強い営業実績で年間約4万人が訪れ、町を活気づけている。
メイン画像:目玉は森の上空を飛ぶ国内最大級の「メガジップライン」(60分/3700円)。往復約1kmのワイヤーを滑り降り、スリル満点!
地域循環型の
まちづくりを目指して
福井県内で高齢化が最も進む池田町は、人口減少傾向に歯止めがかからず観光業も伸び悩んでいた。そんな危機感から、町と第三セクターの「株式会社まちUPいけだ」が手をとり、地域循環型のまちづくりを目指す「木望のまちプロジェクト」が2014年より始まる。
テーマは、町の92%を占める豊富な森林資源を活かした、子供たちを育むまちづくり。既存施設や廃校を改装した施設が町内4ケ所に新設された。そのうち、ツリーピクニックアドベンチャーいけだ(TPA)は、町の代名詞となる日本最大の森の冒険テーマパークだ。開業から4年目の2019年度は、有料施設利用客だけでも約4万2千人、年間売上1億3千万円と順調だ。
「アドベンチャーボート」(4人乗り・90分/12000円)は全長2.1kmのミニラフティングコース
「2020年度はコロナ禍の影響から“県内回帰”が起こり、福井県の修学旅行などの校外学習の利用が一気に増え、来年度の平日は校外授業でほぼ埋まっています」と、ゼネラルマネージャーの野村俊治さん。この実績を支えるのが平均年齢36歳の若きスタッフたち。
樹上に広がる森のジャングルジム「アドベンチャーパーク」は子供の成長に合わせたコース設定でリピーターを増やす。「ディスカバリーコース」120分/3700円(写真)のほか3コースがある。
「スタッフの3割が県外からのUターン、Iターンの移住者で、TPAは移住者や若者の雇用の場を確保する役割もあります。そこで思い切ったのが冬季営業。
池田町は県内一の豪雪地帯ですが、冬季休業に甘んじてはみんなのモチベーションが上がらない。厄介者の雪を活かしたアトラクションの営業のほか、焚き火イベントといったスタッフ手作りの企画を行い、予想以上の反響がありました」。
冬季は雪中のメガジップラインが人気
数年後には施設のそばに岐阜県と池田町を結ぶトンネルが開通し、さらなる増設が計画されている。東のTDL、西のUSJと並び、池田町のTPAが修学旅行のメッカとなり、たくさんの子供たちに森の魅力を伝えてほしい。
敷地内のカフェでは池田牛のハンバーガーや地元米のおにぎりが味わえる
木望のまちプロジェクトヒストリー
- ● 2011年3月
第三セクター・株式会社まちUPいけだ設立。 - ● 2014年3月
森林資源を活かした地域循環型まちづくりプロジェクト「木望のまちプロジェクト」始動。 - ● 2015年4月
プロジェクトの一番目の施設、幼児向けの木育の場「おもちゃハウス こどもと木」オープン。 - ● 2016年3月
プロジェクトの二番目の施設、「Tree Picnic Adventure IKEDA」オープン。 - ● 2017年10月
プロジェクトの三番目の施設、親子で木工体験が楽しめる「WOOD LABO Ikeda」のDIY施設を改装オープン。
※2020年移転オープン - ● 2019年冬
「Tree Picnic Adventure IKEDA」冬季営業を本格スタート。 - ● 2020年6月
プロジェクトの四番目の施設、小~中学生の木育の場「あそびハウス こどもと森」オープン。 - ● 2021年4月予定
「Tree Picnic Adventure IKEDA」森のツリーハウスオープン。
宿泊施設はコテージ、キャビン、樹上テントのほかにこの春にはツリーハウスもオープン予定。徒歩5分の場所に温泉施設もある。