伐木も枝払いもコレ1台でOK!? ウワサのSTIHL最新チェンソー『MS 500i』を使ってみた
2019/10/07

10月1日に発売された、STIHLの最新チェンソー『MS 500i』。インジェクションの搭載が話題だが、使い心地が気になる方も多いはず。そこで今回、チェンソーマンとして知られる今井陽樹さんに実際に試してもらい、リアルな使用感を聞いてみた。
「バランスが良い」から
スペック以上に軽くて使いやすい
林業界、とくにチェンソーを使う現場の方なら、知らぬ人はいないであろうチェンソーマンが、今井陽樹さん。日本の伐木チャンピオンシップで常にトップを競う実力者である。
伐木チャンピオンシップは、「伐倒競技」「ソーチェン着脱競技」「丸太合せ輪切り競技」「接地丸太輪切り競技」「枝払い競技」の全5種目で競われる。
採点ポイントは、手順の確実性と安全・正確性。実際の林業現場で鍛えた技術が問われるものだ。
今井さんは海外の大会にも出場して経験を積みながら、自主開催の伐木大会運営にも奔走している。もちろん競技だけでなく、林業の現場で山を守ってもいる。
「チェンソー競技の大会に出るためにSTIHL製品を知人から借りたのが、私とSTIHLの出会いでした。もう今から6年ほど前の話です。使い始めてみると、バランスの良さに驚かされました。ハンドルの角度やリヤハンドルの太さが分かりやすい例ですが、同じクラスのチェンソーでも、実はメーカーによって、それらは違っています。STIHL製品は、スペック以上に軽く感じたり、また疲れにくかったりしますよね。以来、STIHL製品を愛用していて、いまは『MS 461』を使っています」。
今井さんの言う「疲れにくさ」は人間工学を活用したデザインの成せる技で、ハンドルの角度やリアハンドルの太さ、それに重量バランスを計算した設計によるものだ。
今回はさらにユーザーのストレスを軽減するSTIHLの次世代機『MS 500i』をいち早く体験してもらった。
STIHLの最新モデル『MS 500i』
世界で初めて吸気系にインジェクションを採用することで、抜群のハイパワーと加速性、指導性を手に入れた『MS 500i』。従来からのSTIHL製品の長所である軽さと、人間工学を活かしたデザインを採用しているから、扱いやすさも抜群だ。
インジェクション化の効果
始動性と高出力を体感
「まず手に持った感覚が軽い。普段使っている『MS 461』は6.7kgですが、この『MS 500i』は6.2kg。実際の重量以上に、体感として軽く感じます。今までのSTIHL製品の良さを受け継いでいますね。そして、とにかく始動が楽になりました! これは現場では本当に嬉しいですね。エンジンが掛からないと、その日の作業どうしよう……ってなりますから(笑)」。
チョーク操作無しで、瞬時に始動
気温の高低、標高の高低に関わらず、簡単に始動する。スイッチONやチョーク操作は不要。燃料ポンプを数回押して数回スターターを引けば、簡単、確実に始動してくれる。これは嬉しい!
最高回転まで一気に加速
吸気系をインジェクション化したことで、他に類を見ない圧倒的な加速性の良さを手に入れたのも『MS 500i』の特徴。最高回転まで瞬時に加速するから、切りはじめ時のストレスを大幅に低減してくれる。
軽量で枝払いでも扱いやすい
79.2cm3という大排気量モデルでありながら重量はわずか6.2kg!STIHL得意の人間工学に基づいた重量配分やハンドル角度といった設計により、作業時には数値以上に軽く感じる。
スイッチのオンオフやチョーク操作が不要で、すぐに、そして確実に始動するのが本機の特長のひとつ。そしていよいよ実際に伐木した際に、まず感じたのがそのパワフルさだという。
「これは『MS 461』と比較して明らかに違います。太い樹を切るときに効果が現れるだけでなく、安全な作業にも繋がります。突っ込み切りのときにも全く回転が落ちませんでした。感心しましたね」。